バイハンチーは既に帰宅していて、ちょうど門の所に植えた新しい木をいじっていた。バイロインとグーハイが帰ってきたのを見て、顔から笑みがこぼれている。特に後ろにいるグーハイを見つけると、その口を大きくゆがめるほどの笑顔がこぼれた。

「おじさん！」グーハイは親しげに呼んだ。

　バイハンチーはとても愉快に返事をすると、グーハイの肩を手でたたいた。丁寧な言葉で迎え入れようとするも、顔色が変わった。「どうして服がこんなに濡れているんだい？ほら、入って入って。すぐ部屋に行って着替えなさい。」

　バイロインが冷たい視線を浮かべ、グーハイとバイハンチーの前をふさいだ。「父さん、うちのどこに着替えられる余った服があるんだよ？」

「何でないんだ？この前2着買ってきたばかりだから、取り替えなさい。」

　いつもなら早く買うことも遅く買うこともないのに、事もあろうかこんな時に限って買ってあるんだから。とにもかくにも、バイロインはグーハイを家の中に入れさせたくなかった。

「おじさん、最初にシャワーを浴びていいですか？全身泥だらけだから、新しい服を着ても汚しちゃうし。」

「いい加減にしろよ。」バイロインは怖い目をしている。

　バイハンチーは逆に喜んでいる。「もちろんだよ。水の出し方分かるかい？分からなかったらロインと一緒に入りなさい。」

「それはいい考えですね。」グーハイの笑みが口にこぼれ、それは顎に沿って地面に落ちるほどだ。

「何がいい考えだ。」バイロインは吠えた。「うちにはちゃんとした浴室さえないし、シャワーも外だぞ。シャワーヘッドだって詰まってるし。どうやって洗うんだ?」

「洗えるさ。」グーハイは寛大な顔をして「お前ん家の浴室はビニールシートがかかってるだけマシさ。俺ん家は純粋に屋外だぞ。夏はお湯すらなく、直接水道水を使うんだぞ。」
　バイハンチーは大笑いした。「うちのお湯はいくらでもあるから、自由に使いなさい。」

　この二人は…いい加減にしろよ。バイロインはひそかに歯を食いしばって、暗い顔で荷物を片付けに部屋に入っていった。
　これまでは誰も家に来なかったので、部屋がこんなに散らかっているとは気づかなかった。バイロインが片付けていると、突然グーハイの叫び声が聞こえてきた。「バイロイン！水をどうやって出すんだ？」
　バイロインは聞こえないふりをした。
　ちょっとしてバイハンチーが慌てて部屋に入ってくると、バイロインを咎めた。「お前って子は彼に意地悪して。そんな分からず屋じゃないだろう。」
　バイロインは気が滅入り、溜息つきながらもまっすぐ浴室へと行き、激しくカーテンを開けた。グーハイは既に全裸になっていて、誇らしげな身体がバイロインの目の前で意気高らかに映し出されている。バイロインは本当にその引き締まった尻を蹴り上げたいくらいだった。

「水も出せないくせに、そんなに急いで服を脱いで何してんだよ。」
　グーハイはバイロインの服の襟をそっと掴むと、手を動かしてボタンを3つ開けた。
「一緒に入ろうぜ！お前のズボンの裾も泥だらけになってて嫌だろ？」
「どうもありがとう！」バイロインは歯を食いしばってグーハイのすべすべした肩を叩くと、膝小僧で激しくグーハイの下腹部を突き、口からいくつかの単語を絞り出して言った。「自分で、洗いましょう！」
　グーハイはにこにこ笑った様子で、「バイロイン、お前ってドスケベだな。」と言った。
　バイロインは既に戻ろうとしていたが、その言葉を聞いて再び振り返った。グーハイはそれを見て、無意識のうちに自分の大事な部分を手で守った。
「ちっ、素早い反応だな。」バイロインは不機嫌そうな顔で言った。

　グーハイは真顔になると、バイロインに真面目に尋ねた。「お前ん家のこのシャワー小屋、ビニールシートかけてあるけど、外から人が来るのが透けて見えて嫌じゃないのか？」
「うちには誰も来ないし。特に女の人は。思う存分洗ってればいいよ。素っ裸で中庭に出て行っても、気にする人すらいないから。」

「老白（ラオバイ：ゾウおばさんがバイハンチーに対して呼ぶ言い方）？家にいる？」
　外からゾウおばさんの温かく優しい声が響いた。
　バイロインは、「……」
「この野郎！」グーハイは動作がぎこちなくなった。「誰も来ないって言わなかったか？俺をからかって遊んでるのかよ？」
　バイロインは笑った。「大人しくしておいた方がいいぞ。俺を怒らせたら、ライターを持って来て直接このビニールシートに点けてやる。」
「……」

ーーーーーーーーーー

　ゾウおばさんはバケツの中の魚を見ると、すぐさま目を輝かせた。「今日は魚を買ったの？」
「釣ってきたんだ。」バイロインはにこにこして答えた。「おばさん、この2匹、煮魚にしてくれない？父さんの手にかかったら台無しになりそうで、心配なんだ。」
「アハハハハ。」ゾウおばさんはさっぱりした表情で高笑う。「あなたは口が上手いんだから。ちょっと持って帰って作ってきてあげるわ。また後で、出来たら持ってくるわね。」
　バイハンチーは外に出て、すぐゾウおばさんを呼び止めた。「もう気にしないで。迷惑かけちゃよくないですから。2匹差し上げます。残ったので自分が作りますから。」
　ゾウおばさんは何も答えずに笑顔で、バケツを持ってバイハンチーの方を迂回して、門に向かって歩いていった。

　バイロインはバイハンチーがまた演技をしていることを分かっていた。そして彼の腕を直接引っ張ると、真面目に話した。「父さんに言っておきたいんだけど…、あとでグーハイがうちで飯を食べたいって言ったら、うちの飯は不味いって答えてよ。何を言っても承諾しちゃだめだからな。」
「この子は…、どうしてそんなことを言うんだ？」バイハンチーは眉間に皺を寄せた。「あの魚は二人で釣ってきたものだろう。どうして彼に食べさせないんだ？」
「あいつに食べさせないんじゃない。俺が言ってるのは、家まで送り届けてから持っていくってことだよ。」バイロインは視線を祖父母の部屋の方へ向け、バイハンチーに合図をした。「あいつにうちの“ジョーク”を見せるわけにはいかないだろ。」
　バイハンチーはすぐに理解し、頷き、「分かった、心配するな。彼をとどめないから。」と約束した。

　この時、既にグーハイはシャワーを終えていた。バイロインは服を持って、シャワーへ入っていった。
「おじさん、この花は誰が植えたんですか？」
「ああ、それは息子が植えたやつだ。綺麗だろ？」
「うん、綺麗ですね。摘んでもいいですか？」
「構わないよ。勝手に取りなさい。」
　バイロインはそれを聞くと、もう少しでビニールシートを引き裂くところだった。半年以上かかって咲いたのは、その花一輪だけなんだぞ。

「おじさん、俺もここで晩飯一緒に食べてもいいですか？」
　外にはしばらく静寂が漂った。バイロインは水を止めると、濡れた髪にはまだ水滴がついていたが、滴が伝わる両耳で、聞き耳を立てていた。
「もちろんだよ！」痛快な笑い声が広がる。「帰りたいと言っても私は引き止めるよ。うちで食べて、腹いっぱいになってから帰ればいい。アハハハハ……」
「……！！」

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　第37話。
　ハッピーシャワータイミング♪
　と言うことで、遠くからモー娘が聴こえるような、聴こえないような。
　洛因父ちゃん（白漢旗）、好きですねぇ。鄒おばさんとの仲も微笑ましいし。
　全くどこぞの習〇平なにがしとは大違い。
　白洛因は顧海の全裸を初めて見た記念日と言うことですね？ まぁ、エッチ（笑）。
　一緒に入っちゃえよ、この野郎。
　つづく。